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DXの手引

第二部中小・中堅企業の
DX取組編

沖縄県 商工労働部ITイノベーション推進課

一般財団法人 沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)

これだけ知っていれば、御社でもDXができる!

● DXって一体何なのか?

● 県内企業のDX事例が知りたい

● DXのポイントが知りたい

と思ったら読む本

はじめに

(1)なぜDXが必要か?

DXとは一言で言えば、「デジタル技術の活用を前提とした経営変革」です。

沖縄県が、企業の皆様にDXを勧める理由は、企業の「稼ぐ力」を上げることにあります。

沖縄県の「新・沖縄21世紀ビジョン 基本計画」では、5つの将来像のうち、「希望と活力にあふれる豊かな島を目指して」において、「県民所得の着実な向上につながる企業の『稼ぐ力』の強化」を基本施策としています。

そのためには、中小企業等の経営基盤を強化して「稼ぐ力」を向上させ、全産業の労働生産性(仕事の価値)を上げることが必要です。DXは、そのための手段として期待されているのです。

将来像3 希望と活力にあふれる豊かな島を目指して

  • 1. 県民所得の着実な向上につながる企業の「稼ぐ力」の強化
  • ・ 全産業における労働生産性の向上
  • ・ 地域・産業間連携による「稼ぐ力」と域内自給率の向上
  • ・ 中小企業等の経営基盤の強化による「稼ぐ力」の向上

出典:「新・沖縄21世紀ビジョン 基本計画」パンフレット(沖縄県 企画部)

(2)本書の構成

本シリーズでは、次のように企業のDX 推進に向けて、段階的に解説します。

  • ● 第一部 小規模企業のITツール活用編(本書)…主にDXの初歩とITツール導入
  • ● 第二部 中小・中堅企業のDX取組編(続編)…企業経営を中心にDXの推進について深堀する
  • ● 第三部 中小・中堅企業の経営変革編(続編)…DXの目標である経営変革について説明

第二部では、第一部のITツール活用を踏まえて、企業経営の面からDXの推進について解説しています。

第一部と併せてDX推進の指針としてご活用下さい。

第二部中小・中堅企業のDX取組編(本書)

(3)本書の対象

右のグラフは、沖縄県内に本社がある企業を従業者規模別に示したものです。

本書は、県内企業の約16%に相当する中小企業と中堅企業を主な対象としています。

これらの企業では、IT部門やスタッフを配置し、自社の状況に合わせたシステムのカスタマイズなども検討される場合が考えられます。

ただし、本書では小規模企業でも取り入れやすいDXやデータ活用の実践事例も多数掲載しております。

経営資源に応じて段階的に取り組める事例も含まれておりますので、企業の規模に関わらず、ぜひ参考にして下さい。

従業者規模別の企業分布

従業者規模別の企業分布円グラフ

出典:「令和3年 経済センサス」 総務省・経済産業省

(4)本書の読みどころ

  • 県内企業の取組事例が満載!
    私達がDXを勧めていると、「県内企業の事例を知りたい」という要望をよくうかがいます。本書では、県内企業のDXやデータ活用の取組事例の傾向を分析し、DXの推進に必要なポイントがわかるようになっています。本書の「2.県内企業のDX取組事例」(6ページ)、「3.事例から見るDXのポイント」(10ページ)をご参照下さい。
  • DXの流れがよくわかる!
    DXの取組事例とデータ活用の取組事例を軸として、(1)事例紹介※1→(2)共通点の分析→(3)導入ツールの分析→(4)発展段階→(5)ロードマップ→(6)経営変革※2の構成としています。
  • DXは時代の流れ!
    DXの波は、都市部も地方も、大企業から中小企業まで、押し寄せています。沖縄県内にもその必要性にいち早く気づき、DXの取組を進めている企業が数多くあります。

これらの事例は、貴社の参考となるでしょう。

※1 DXの必要性や基本的な取組は、「第一部 小規模企業のITツール活用編」でも紹介しています。

※2 企業の経営変革については、「第三部 中小・中堅企業の経営変革編」でも詳しく解説します。

1.DXに取り組む前に

(1)6つの「ない」が示す企業経営の危機

企業の皆様にDXの取り組みを勧めていると、「お金がない」「人材がない」「知識がない」「時間がない」「必要がない」といった声をよく耳にします。これに「危機感がない」を加え、ここではDX推進を阻む6つの「ない」と表現しています。

この考えは、企業経営に重大な影響を及ぼします。

お金がないお金がない
「お金がない」と感じる企業は、国や県の支援を積極的に活用すべきです。投資をしなければお金は生まれません。特にDXはコストではなく、企業の生き残りをかけた重要な投資です。
人材がない人材がない
「人材がない」と悩む企業は、外部の専門家の力を借りつつ、人材育成に取り組むことが必要です。沖縄は、人材能力が競争力の源泉となるサービス産業が多く、優秀な人材を確保できない企業は、AIの脅威に晒される前に淘汰されるでしょう。
知識がない知識がない
「知識がない」と感じる企業は、外部の専門家を活用し、組織全体の知識を高めることが不可欠です。知識をアップデートしない企業で働きたいと思う人はおらず、特にスキルアップを望む若手人材が流出すると、企業の存続は危ぶまれます。
時間がない時間がない
「時間がない」という問題については、DXをプロジェクト化し、計画的に進めることが求められます。時間が足りないのは、DXに取り組んでいないからです。このままでは、時間の経過とともに会社が行き詰まる可能性が高まります。
必要ない必要ない
DXは「必要ない」と考える経営者は、早急に危機感を持つべきです。この考え方こそが、企業にとって最も大きなリスクとなり得ます。気づいたときには、対応が難しくなっているかもしれません。「地方の中小企業だから必要ない」と考える経営者もいますが、デジタル化や経営環境の変化の波は、大企業も中小企業も関係なく押し寄せてきます。
危機感がない危機感がない
さらに、経営に「危機感がない」ことが、すべての問題の根本にある要因です。現状維持に満足していると、知らず知らずのうちに衰退の道を歩んでしまうかもしれません。

このままでは、企業経営に深刻な問題が発生するでしょう。

  • 顧客離れの加速: デジタルサービスに慣れた顧客は、アナログな企業には興味を示しません。
  • 競合他社に引き離される危険: DXに成功した競合が現れると、あなたの会社の存在価値が急速に失われるおそれがあります。
  • 人材確保の困難: デジタルスキルを磨きたい優秀な人材は、DXに消極的な企業を避けます。
  • 業務効率の悪化による利益の減少: 非効率な業務プロセスは、利益を徐々に削っていきます。
  • 環境変化への対応不足: 突然の環境変化に対応できなければ、企業が淘汰されるリスクが高まります。
  • コロナ禍での混乱を思い出してください。次に訪れる変化はさらに急激かもしれません。

これらの問題を避けるためにも、経営者は迅速に危機感を持ち、対応を開始することが求められます。

  • 1.「ない」をチャンスに変える発想

    これらの6つの「ない」は、実は全て「できない理由」ではなく「変革のきっかけ」として捉え直すことができます。

    「お金がない」からこそ、効率的な投資計画を立てられる。

    「人材がない」からこそ、新しい人材育成の仕組みを構築できる。

    「知識がない」からこそ、組織全体で学習する文化を創造できる。

    まさに、ピンチをチャンスに変える転換点なのです。

    「ない」をチャンスに変える発想
  • 2.企業の明暗を分けた実例

    かつて、写真フィルムで世界的シェアを誇っていたコダック社は、デジタルカメラの波に乗り遅れ、経営破綻への道を歩みました。

    一方、同じ写真フィルムメーカーである富士フイルムは、デジタル化の波を危機と捉えながらも、その技術を活かして化粧品や医療機器などの新規事業に進出。見事な事業転換を成功させました。

    両社の明暗を分けたのは、変化に対する危機感の有無と、その対応力の差だったのです。

    企業の明暗を分けた実例
  • 3.迷うより踏み出す一歩

    DXへの第一歩は、これらの「ない」を「ある」に転換する経営判断から始まります。その判断に迷う時間があれば、むしろ小さな一歩を踏み出すことです。

    なぜなら、デジタル革新の波は、大企業も中小企業も関係なく、満潮のように確実に、そして止めることなく押し寄せてくるからです。

    迷うより踏み出す一歩
  • 4.身近な変化の実感

    たとえば、スマートフォンの普及を考えてみましょう。わずか15年ほど前、多くの人々はガラケー(従来型の携帯電話)で十分だと考えていました。

    しかし、今やスマートフォンなしの生活は考えられないほど、私たちの生活様式は変化しています。企業のDXも、同じような変化の波の中にあるのです。

    身近な変化の実感
  • 5.変革の時は今

    デジタル化の波は、誰もが経験したことのない大きな変革の時代をもたらしています。この波に乗り遅れることは、企業の存続にも関わる重大な問題となりかねません。

    しかし、適切な時期に適切な一歩を踏み出すことができれば、それは企業の大きな飛躍のチャンスとなるはずです。あなたの企業も、その一歩を踏み出す時が来ているのです。

    変革の時は今

※なぜDXが必要かは、「第一部 小規模企業のITツール活用編」にも掲載しております。ご参照ください。

(2)DXにまつわるよくある質問

  • 1.DXとは何か?

    DXとは何か?

    DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して企業のビジネスモデルを根本から変革し、新たな価値を生み出す取り組みです。これは単なるIT化にとどまらず、企業文化、組織体制、業務プロセス、顧客対応といった経営の全体を見直し、競争力を向上させることを目指しています。

  • 2.DXと業務効率化の違いは何か?

    DXと業務効率化の違いは何か?

    業務効率化はDXの一部分に過ぎません。DXは単に業務を効率化するだけでなく、企業全体に新たな価値を創出し、競争力を強化する包括的な取り組みです。具体的には、新しい顧客体験の提供や、データに基づいた意思決定、新しいビジネスモデルの創造など、企業全体を変革する要素が含まれます。

  • 3.DXにIT知識が必須か?

    DXにIT知識が必須か?

    ITの知識はDXの重要な要素ですが、それだけでは成功を収めることはできません。企業のビジネスを深く理解し、技術とビジネスを橋渡しできる人材が必要です。技術を単に導入するのではなく、それを活かして企業の競争力を向上させるためには、ビジネス全体を見据えた戦略的なアプローチが不可欠です。

  • 4.DXは大企業だけの取り組みか?

    DXは大企業だけの取り組みか?

    DXは企業の規模に関わらず、すべての企業に関係する取り組みです。デジタル化や経営環境の変化は、大企業から中小企業まで、また都市部から地方まで、あらゆる場所で一様に進んでいます。むしろ、中小企業はその柔軟な組織構造により、迅速にDXを推進できる利点を持っています。大企業では既存のシステムや慣習が障害となることが多く、中小企業の方がスムーズに新しい取り組みを導入できる場合もあります。

  • 5.DXを進める際に導入すべきソフトウェアやシステムは何か?

    DXを進める際に導入すべきソフトウェアやシステムは何か?

    DXは特定のソフトウェアやシステムを導入すれば自動的に成功するものではありません。DXは経営全体の改革であり、技術的な側面以外にも、組織体制や文化など多様な要因が関わります。そのため、すべての企業に共通する解決策は存在せず、各企業の状況や目標に合わせた柔軟なアプローチが求められます。「これさえ導入すれば成功する」という万能なツールはなく、自社に最適な戦略を立てることが重要です。

  • 6.DXは気軽に進められるのか?

    DXは気軽に進められるのか?

    DXは企業全体に影響を与える大規模な変革であり、気軽に取り組むことはできません。しかし、前向きな姿勢を持ち、段階的かつ計画的に進めることで、確実に成果を上げることができます。具体的なステップについては本書で詳しく説明していますので、是非参考にして下さい。

次に、県内企業がどのようにDXに取り組み、データ活用を進めているのか、実際の事例を紹介します。

2.県内企業のDX取組事例

沖縄県内でのDXやIT活用事例を集めたウェブサイト「ResorTech Okinawa」には、県内企業のDX取組事例が多数掲載されています。その中から、2023年の事例11件を紹介します。

ResorTech Okinawa DX事例集 https://www.resortech.okinawa/dx_case/

DX事例集TOP画像
  • 1.タップホスピタリティラボ沖縄

    タップホスピタリティラボ沖縄QRコード
    • うるま市のIT津梁パーク内に開設された宿泊業のDX推進のための実証実験施設。
    • ロボットやAIなどの先端技術を導入し、生産性向上と人材不足解消を目指す。
    • 約60社が参画し、ロボットのフリートマネジメントシステムやIT機能を持つドア、非接触レセプション等を実証。
    • 宿泊産業全体のDX推進と技術の実用化を通じて、沖縄の観光産業の発展に貢献することを目指している。
  • 2.株式会社南都

    株式会社南都QRコード
    • 南城市の観光施設「おきなわワールド」を運営する会社が、基幹システム構築により業務をシステム化。
    • 団体予約管理の効率化と人手不足対策を実現し、作業時間を大幅に短縮。
    • 導入にあたっては、補助金を活用し、現場の声を反映させながら段階的に進めた。
    • システム導入により、データに基づいたマーケティングや新商品開発にも着手している。
  • ここが読みどころ
  • 3.有限会社仲松ミート

    有限会社仲松ミートQRコード
    • うるま市の冷凍食品製造業者が、AI音声認識サービス「Alexa」と業務改善アプリ「kintone」を活用し、製造管理を自動化。
    • 生産性向上と人材不足対策を実現し、製造スケジュールの明確化や原材料・包装資材の効率的な仕入れが可能に。
    • 補助金を活用し、現場の声を反映させながら段階的に導入を進めた。
    • システム導入により、新商品開発や取引先拡大にも成功している。
  • 4.ゼロアグリ導入農家

    ゼロアグリ導入農家QRコード
    • 糸満市のきゅうり農家が、AIを活用した自動潅水施肥システム「ZeRo.agri」を導入。
    • 土壌センサーと気象データを活用し、最適な水と肥料の供給を自動で行うことで作業時間を大幅削減。
    • 導入費用には糸満市からの補助金を活用し、段階的に導入を進めている。
    • システム導入により、収穫量増加と品質向上を実現し、台風時の被害軽減にも効果を発揮している。
  • 5.体験王国 むら咲むら

    体験王国 むら咲むらQRコード
    • 読谷村の観光施設「むら咲むら」が、独自電子マネー「むらさき Pay」を導入。
    • 紙クーポンの管理コスト削減と、顧客データ分析によるマーケティング強化を図る。
    • 導入前にコロナ禍を利用してバックオフィスのデジタル化を進め、スムーズな導入を実現。
    • 約10%の入場者が利用し、体験コーナーの売上平均が1人当たり500円程度上昇している。
  • ここが読みどころ
  • 6.株式会社東和

    株式会社東和QRコード
    • 宮古島市の自動車販売・整備会社が、日報アプリ「gamba!」導入などDXを推進。
    • 業務効率化と従業員の意識改革を実現し、相互理解を深める社内コミュニケーションを活性化。
    • 月1回の社内勉強会を開催し、従業員の主体性を引き出す工夫を実施。
    • 公式LINEアカウントの活用で顧客とのコミュニケーションも双方向に転換している。
  • 7.株式会社イバノ

    株式会社イバノQRコード
    • 食肉加工会社イバノが衛生管理をデジタル化し、年間2,500枚の紙記録をタブレット1台に集約。
    • 県内企業開発のアプリ「ハサップログ」を導入し、現場の声を反映させて使いやすさを向上。
    • 金属探知などの記録漏れを防ぎ、業務効率化を実現。
    • 高齢従業員でも使いやすいよう細かな改善を重ね、県内企業間の密接な連携でツールを進化させている。
  • ここが読みどころ
  • 8.社会福祉法人千尋会

    社会福祉法人千尋会QRコード
    • 南風原町の介護施設が、AI搭載見守りロボット「眠りSCAN」を導入。
    • 訪室回数と残業時間を大幅に削減し、介護スタッフの負担軽減と利用者へのサービス向上を実現。
    • 導入には「介護ロボット導入支援事業」を活用し、現場主導の「テクノロジー委員会」を設置して浸透を図る。
  • ここが読みどころ
  • 9.イカリ消毒沖縄株式会社

    イカリ消毒沖縄株式会社QRコード
    • 南風原町の衛生管理専門会社が、事業承継を機に業務のデジタル化を推進。
    • 文書管理ツール「DocuWorks」、タブレット端末、BIツールなど様々なITツールを導入。
    • 売上1.5倍増、人時生産性1.9倍増、残業時間の大幅削減など、業務効率化を実現。
    • 補助金を活用し、クラウド型勤怠管理システムやAI搭載ドライブレコーダーも導入している。
  • 10.株式会社ホクガン

    株式会社ホクガンQRコード
    • 物流倉庫にWMSとオートラベリングシステムを導入。
    • 仕分け作業時間を4時間から2.5時間に短縮し、ラベル貼り間違いをゼロに削減。
    • 残業時間の大幅削減と週休2日制の実現、外国籍スタッフの雇用も可能に。
    • 現場の使いやすさとトラブル時のリカバリーを考慮したシステム設計で、維持管理コストも抑制。
  • 11.沖縄ヤマト運輸株式会社

    沖縄ヤマト運輸株式会社QRコード
    • RPAを導入して業務を自動化。
    • 年間19,551時間の事務作業時間削減と顧客対応時間の増加を実現。
    • 専門部隊「事務改革課」を設置し、業務の棚卸しと並行して段階的にRPA導入を推進。
    • 正社員登用制度の整備など、従業員の不安解消と意欲向上にも取り組んでいる。
  • ここが読みどころ

3.事例から見るDXのポイント

(1)DX取組事例の共通点

多くの事例企業は、DXが単なるツールの導入に留まらず、業務プロセスの見直しや組織文化の変革を伴う包括的な取り組みであることを示しています。

また、各企業が自社の課題や特性に合わせて、適切なツールや手法を選択していることも特徴的です。

DXは単なる技術導入や効率化ではない!

経営トップの強い意志とリーダーシップがDX推進の原動力

そして、事例企業のDXの促進には、2つの側面で顕著な成果が確認されています。

一つは「効率化と人材活用の最適化(基盤づくり)」であり、もう一つは「戦略的成長と価値創造(成長戦略)」です。これらは、企業の持続的成長に向けた不可欠な取り組みとして注目されています。

■効率化と人材活用の最適化(基盤づくり)

  1. 業務効率化と生産性の向上

    各事例では、デジタル技術を活用して業務プロセスを効率化し、生産性向上を実現しています。これにより、従業員一人ひとりの業務パフォーマンスが最大化され、競争力を強化しています。

  2. 人材不足の対応

    デジタル化を推進することで、多くの事例において人材不足の問題が改善し、限られたリソースで効率的に業務を遂行できる体制を整えています。

  3. 段階的な導入

    DX推進においては、全てを一度に導入するのではなく、まずは小規模な試験的導入を行い、成果を確認した上で徐々に拡大していく戦略が採用されています。

  4. 補助金や支援制度の活用

    国や自治体の提供する補助金や支援制度を活用し、DX推進のための投資負担を軽減する事例が多く見られます。

  5. 現場の声の反映

    現場の意見を重視した導入 システムやツールの導入に際しては、現場の従業員からのフィードバックを反映し、実用性や操作性を重視する姿勢が見られます。

企業は、主に内部プロセスの改善と人材リソースの効果的な活用に重点的に取り組んでいます。これらの施策は、組織の基盤を強化し、より効率的で持続可能な運営を実現するための重要な要素となっています。

■戦略的成長と価値創造(成長戦略)

  1. 顧客満足度のアップ

    業務効率化により確保された時間やリソースを、顧客対応の改善や新サービスの開発に積極的に活用し、顧客満足度の向上を図っています。

  2. データの活用

    デジタル化によって取得したデータを効果的に分析し、経営戦略やマーケティングにおいてデータ駆動型の意思決定を行う傾向が強まっています。

  3. 従業員の意識改革

    DX推進により、従業員の業務に対する意識が変わり、日常的な業務からより創造的で戦略的なタスクへのシフトが進んでいます。

  4. 業界特有の課題解決

    企業ごとに異なる業界特有の課題に対し、デジタル技術を用いた独自の解決策を見出し、競争力を強化しています。

  5. 新規事業や事業拡大

    DXの導入を通じて、新規事業の創出や既存事業の拡大を加速させ、企業の成長戦略を支援する成功事例が多く見られます。

企業は、DXを活用して新たな価値を生み出し、ビジネスの成長を促進する取り組みに注力しています。これらの取り組みは、顧客志向の業務変革や従業員のスキル向上を推進し、さらに新たなビジネス機会の創出にもつながっています。

これらの共通点から、事例企業では次のような発展が期待できます。

事例企業発展フロー

(2)DX取組事例で使われているツール

では、各事例で使用されているデジタルツールを見てみましょう。

  • 1. タップホスピタリティラボ沖縄
    • ロボットのフリートマネジメントシステム
    • IT機能を持つドア
    • IT機能を持つカウンター(非接触レセプション)
  • 2. 株式会社南都
    • 基幹システム構築
  • 3. 有限会社仲松ミート
    • AI音声認識サービス「Alexa」
    • 業務改善アプリ「kintone」
  • 4. ゼロアグリ導入農家
    • AIを活用した自動潅水施肥システム「ZeRo.agri」
  • 5. 体験王国むら咲むら
    • 独自電子マネー「むらさき Pay」
  • 6. 株式会社東和
    • 日報アプリ「gamba!」
    • 公式LINEアカウント
  • 7. 株式会社イバノ
    • 衛生管理アプリ「ハサップログ」
  • 8. 社会福祉法人千尋会
    • AI搭載見守りロボット「眠りSCAN」
    • クラウド型勤怠管理システム
  • 9. イカリ消毒沖縄株式会社
    • 文書管理ツール「DocuWorks」
    • BIツール
    • AI搭載ドライブレコーダー「DRIVE CHART」
  • 10. 株式会社ホクガン
    • オートラベリングシステム
    • WMS
  • 11. 沖縄ヤマト運輸株式会社
    • RPA(Robotic Process Automation)ツール「Robo-Pat」

これらのツール活用の総合的な傾向を分析すると、以下のような特徴が浮かび上がります。

  • A)業務デジタル化・効率化

    1. スモールスタート可能なツール
      • 多くのツールが比較的導入しやすく、段階的に拡張可能な特徴を持っています。
      • これは、中小企業でもDXに取り組みやすい環境を提供しています。
    2. 業務自動化・効率化の重視
      • RPA、オートラベリングシステム、AI搭載見守りロボットなど、多くのツールが業務の自動化や効率化を目的としています。これは人手不足や業務負荷軽減のニーズを反映しています。
    3. クラウドベースのソリューション
      • kintone、ハサップログ、クラウド型勤怠管理システムなど、クラウドベースのツールが多く採用されています。
      • これにより、場所を問わずアクセスできる柔軟性と、初期投資の抑制を実現しています。
    4. 統合型ソリューション
      • WMSやオートラベリングシステムなど、複数の機能を統合したソリューションの採用が見られ、業務全体の最適化を目指す傾向があります。
  • B)先端技術の積極活用

    1. AIとIoTの活用
      • Alexa、ZeRo.agri、眠りSCANなど、AIやIoT技術を活用したツールが多く見られます。
      • これらは高度な自動化や予測、最適化を可能にしています。
    2. モバイル対応
      • gamba!やLINEなど、モバイルデバイスで利用可能なツールの採用が見られ、現場での即時対応や情報共有の重要性が高まっていることがわかります。
    3. セキュリティとコンプライアンスへの配慮
      • DocuWorksやハサップログの導入は、文書管理やコンプライアンス対応の重要性が増していることを示唆しています。
  • C)戦略的デジタル変革

    1. データ分析・可視化ツール
      • BIツールの導入は、データ駆動型の意思決定の重要性が認識されていることを示しています。
    2. 顧客接点のデジタル化
      • むらさきPayや公式LINEアカウントの導入は、顧客とのコミュニケーションや取引のデジタル化トレンドを反映しています。
    3. 業界特化型ソリューション
      • ZeRo.agri(農業)、ハサップログ(食品衛生)、眠りSCAN(介護)など、特定の業界や用途に特化したツールも多く見られます。これは、各業界の特殊なニーズに対応する必要性を示しています。

これらの傾向から、沖縄県内の企業がDXを通じて、業務効率化、データ活用、顧客サービス向上、そして業界特有の課題解決に積極的に取り組んでいることがわかります。また、クラウドやモバイル技術の普及により、比較的小規模な企業でも先進的なツールを導入しやすくなっていることがわかります。

これらの傾向を一言で表せば、
「業務効率化と顧客価値創造を両立するための多様なデジタルツールの戦略的導入」
と言えます。

また、これらのツールは汎用性のあるものから企業特有のニーズに応えるものまで幅広く存在しており、以下のように分類できます。

多様なデジタルツール一覧

事例企業を見ると、DX推進にあたり、まず汎用的なツールで基盤を整備し、その上で自社の特殊なニーズに対応する特化型のツールを導入するという段階的なアプローチを取ることが多いようです。

また、汎用的なツールであっても、各企業の業務プロセスやニーズに合わせて適切にカスタマイズや運用方法を調整することで、より高い効果を得られることが、事例から読み取れます。

このように、中小・中堅企業のDXに向けたツール導入は多様化しています。これは導入企業のみの知見や判断でできるものではなく、「専門家や専門業者の支援が不可欠」です。

専門家や専門業者の支援

(3)DX取組事例でのDX発展段階

これらの事例を、DXの発展段階である①Digitization(デジタイゼーション=情報デジタル化)、②Digitalization(デジタライゼーション=業務デジタル化)、③DX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル変革)の3段階に分けて整理することができます。

多くの企業が業務デジタル化の段階にあり、DXに向けて進みつつある!

DXの発展段階フロー

この整理から、次のようなことが明らかになりました。

まず、多くの企業は「デジタイゼーション」(情報のデジタル化)の段階を既に完了しています。デジタイゼーションは、すでに多くの企業で達成されているか、あるいはデジタライゼーションの一環として進行中であり、単独の取り組みとして行われることは少なくなっています。

次に、多くの企業は現在「デジタライゼーション」(業務のデジタル化)の段階に位置しています。これらの企業は、既存のビジネスプロセスをデジタル技術を用いて効率化・自動化することに注力しています。

さらに、一部の先進企業はDXの段階に達しつつあります。これらの企業は、デジタル技術を活用して新しいビジネスモデルや価値提供の形を模索しています。

多くの企業は段階的にDXを推進しており、デジタイゼーションからデジタライゼーション、そしてDXへと進化している様子が見受けられます。このことから、事例企業のDXへの取り組みは着実に進展しており、ほとんどの企業が業務のデジタル化(デジタライゼーション)を進めており、その中の一部の企業は既にDXの段階に達していることが確認できます。

今後、より多くの企業がDXの段階へ移行し、新たな価値創造や事業モデルの変革を実現することで、競争力の向上が期待されます。

(4)DX取組事例から見るロードマップ

事例を整理して、DXのロードマップを見てみましょう。取組の段階、「1.準備段階」「2.計画段階」「3.初期導入段階」「4.プロセス変革段階」「5.ビジネスモデル変革段階」「6.継続的改善段階」に分かれます。

だたし、多くの企業は複数の段階を同時に進めており、必ずしも順序どおりに進んでいるわけではありません。DXの推進は、型にはまったプロセスではなく、各企業の状況に応じて柔軟に対応することが求められます。

DXロードマップ
  • 1.準備段階

    まず、準備段階では、企業の経営層からコミットメントを獲得することが重要です。次に、現状を分析し、課題を明確にした上で、DX推進チームを編成します。加えて、デジタルリテラシー向上のための社内教育を開始することも、この段階で必要となります。

    事例:
    • ① 沖縄ヤマト運輸株式会社(社長の強いコミットメント)
    • ② イカリ消毒沖縄株式会社(事業承継を機に課題を明確化)
    • ③ 沖縄ヤマト運輸株式会社(事務改革課の設置)
    • ④ 株式会社東和(社内勉強会の実施)
  • 2.計画段階

    次の計画段階では、短期・中期・長期の目標を設定し、DX戦略を策定します。同時に、優先順位の高い課題を特定し、活用可能な補助金や支援制度の調査も行います。さらに、必要な技術やツールの選定も進めます。

    事例:
    • ① タップホスピタリティラボ沖縄(DX推進の全体戦略)
    • ② 株式会社ホクガン(仕分け作業の効率化を優先)
    • ③ 社会福祉法人千尋会(ロボット導入支援事業の活用)
    • ④ 有限会社仲松ミート(Alexa、kintoneの選定)
  • 3.初期導入段階

    初期導入段階、すなわち「デジタイゼーション(情報デジタル化)」の段階では、アナログ情報やプロセスをデジタル化し、基本的なITインフラを整備します。クラウドサービスの導入や、データ収集・蓄積の仕組みの構築も、この段階で行います。

    事例:
    • ① イカリ消毒沖縄株式会社(DocuWorksによる文書管理)
    • ② 株式会社東和(従業員へのiPad配布)
    • ③ 株式会社イバノ(ハサップログの運用)
    • ④ 体験王国むら咲むら(むらさきPayによる顧客データ収集)
  • 4.プロセス変革段階

    次に進むのは、プロセス変革段階、つまり「デジタライゼーション(業務デジタル化)」です。この段階では、業務プロセスを可視化し、再設計を行います。さらに、AIやIoTといった先端技術の試験的導入を行い、データ分析や活用を開始します。また、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの自動化ツールの導入も検討してみましょう。

    事例:
    • ① 株式会社南都(団体予約管理プロセスの見直し)
    • ② 社会福祉法人千尋会(AI搭載見守りロボットの導入)
    • ③ 体験王国むら咲むら(電子マネーデータによるマーケティング)
    • ④ 沖縄ヤマト運輸株式会社(RPAによる業務自動化)
  • 5.ビジネスモデル変革

    その後、ビジネスモデル変革段階、いわゆる「DX(デジタル変革)」の段階に移行します。この段階では、デジタル技術を活用して新しいサービスや商品の開発を進め、データに基づく意思決定プロセスを確立します。また、デジタルを前提とした組織再編を行い、他社や顧客との連携も強化していきます。

    事例:
    • ① ゼロアグリ導入農家(AIによる最適な水・肥料供給)
    • ② 沖縄ヤマト運輸株式会社(事務改革課の常設化)
    • ③ タップホスピタリティラボ沖縄(約60社が参画する実証実験施設の運営)
  • 6.継続的改善段階

    最後に、継続的改善段階では、KPIのモニタリングと効果測定を行い、新技術のウォッチと導入検討を続けます。従業員のスキル向上や意識改革も継続的に実施し、DX戦略を定期的に見直し、更新することが求められます。

    事例:
    • ① 株式会社ホクガン(仕分け作業時間の継続的モニタリング)
    • ② イカリ消毒沖縄株式会社(AI搭載ドライブレコーダーの導入)
    • ③ 株式会社東和(定期的な社内勉強会の実施)
    •  ※ 各事例では、ここまでは述べられていませんが、全ての企業で取り組むべきです。

このように、DX推進は段階的かつ継続的なプロセスであり、柔軟に対応しながら進めることが必要です。

(5)DX取組事例から見る経営変革

DX取組事例について、経営変革の観点から共通している事項は次のとおりです。

事例企業では、経営変革を実現しつつある!

現場の変革
  1. 1. 業務プロセスの変革
    • 自動化・効率化: 沖縄ヤマト運輸株式会社では、RPAを活用して事務作業の自動化を進め、業務の効率化を図っています。
    • リアルタイム管理: 株式会社南都は、予約管理をリアルタイムで行うことで、業務の迅速化を実現しています。
    • 予測・最適化: ゼロアグリ導入農家では、AIを活用して最適な水や肥料の供給を行い、農業の生産性を向上させています。
  2. 2. 顧客体験の変革
    • 顧客対応の個人化: 体験王国むら咲むらは、電子マネーデータを活用して顧客ニーズを把握し、一人一人の嗜好やニーズ有ったクーポンの配付など、個別対応を強化しています。
    • 顧客接点の多様化: 株式会社東和は、LINEを利用して顧客とのコミュニケーションを強化し、接点を増やしています。
    • サービスの質向上: 社会福祉法人千尋会は、AI見守りシステムを導入し、個別ケアの質を向上させています。
  3. 3. 技術基盤の変革
    • クラウド化: 株式会社イバノは、クラウドベースのハサップログを導入し、業務の効率化を図っています。
    • IoT導入: 社会福祉法人千尋会では、センサー技術を活用したAI見守りシステムを導入し、リアルタイムでの見守りを実現しています。
    • データ分析基盤: イカリ消毒沖縄株式会社は、BIツールを活用してデータの可視化を行い、意思決定の質を向上させています。

これらのことから、DXが単なる技術導入や業務効率化ではなく、経営のあらゆる側面に影響を与え、企業全体を変革する取り組みであることがわかります。

また、各企業が自社の状況や課題に応じて、これらの変革領域の中から優先順位をつけて取り組んでいることが読み取れます。これらの変革が相互に関連し合い、全体として企業の競争力強化や新たな価値創造につながっていると言えます。

経営の変革
  1. 1. 経営戦略の変革
    • データ駆動型意思決定: 体験王国むら咲むらは、電子マネーデータを活用してマーケティング戦略を策定し、データに基づく意思決定を行っています。
    • 顧客価値の再定義: 社会福祉法人千尋会は、AI見守りシステムを通じて介護サービスの質を向上させ、顧客価値を再定義しています。
  2. 2. 組織・人材の変革
    • デジタル人材育成: 株式会社東和は、社内勉強会を通じてデジタルスキルの向上を図り、デジタル人材を育成しています。
    • 組織構造の変更: 沖縄ヤマト運輸株式会社は、DX推進のために専門部署「事務改革課」を設置し、組織の柔軟性を高めています。
    • 働き方改革: イカリ消毒沖縄株式会社は、デジタル化を進めることで残業時間を削減し、業務効率化を実現しています。
  3. 3. ビジネスモデルの変革
    • プラットフォーム化: タップホスピタリティラボ沖縄は、宿泊業のDX推進を目的とした実証実験プラットフォームを構築しています。
    • 協業モデルの構築: タップホスピタリティラボ沖縄は、60社が参画する協業モデルを構築し、相互のシナジーを生み出しています。
  4. 4. リスク管理・コンプライアンスの変革
    • 品質管理の高度化: 有限会社仲松ミートは、AIを活用した製造管理を導入し、品質管理の精度を向上させています。
    • セキュリティ強化: 具体的な事例は明示されていませんが、DXに伴い、セキュリティ強化は必須です。
    • コンプライアンス強化: 株式会社イバノは、HACCPに対応した衛生管理システムを導入し、コンプライアンスの強化を図っています。

このように、事例企業は現場と経営の両面での変革を進め、持続可能な成長を目指しています。

4.DX推進のポイントは何か?

(1)DX推進のポイント

各事例をまとめると、DX推進のポイントは以下のように整理することができます。

DXの取組を組織面と実行面、実践的アプローチと戦略的アプローチに分けて見ると、社内でのやるべきことや、各領域の主な担当者が明確になります。効果的なDX推進には、現場の実践と経営の戦略をバランスよく組み合わせ、組織と実行の両面から取り組むことが重要です。

DX推進のポイント図
  1. 1. スキルと体制 (実践的・組織面)

    • 現場レベルでのデジタルスキル向上と、それを支援する体制づくりを行います。
    • 社内でDXを推進するため、従業員向けのデジタルスキルトレーニングを計画・実施します。これにより、DXの実行に必要な基本的な知識と技術を従業員に浸透させます。
    • まず、専門的知見を持つDX推進チームを編成し、プロジェクトをリードすることも検討してみましょう。
    • 支援体制の強化のため、必要に応じて外部の専門家を活用するのも良いでしょう。
    スキルと体制
  2. 2. ツールと運用 (実践的・実行面)

    • 現場のニーズに合ったデジタルツールを選択し、効果的に導入・活用します。
    • ITツールの選定は、現場のフィードバックを基に実施し、操作性や実用性を確認した上で進めましょう。
    • 日々の業務データを収集・活用し、具体的な業務効率化とセキュリティ強化を図ります。
    • データの収集と管理を効率化し、日常業務の中でのリアルタイム活用を推進します。これにより、迅速な意思決定が可能になります。
    ツールと運用
  3. 3. ビジョンと文化 (戦略的・組織面)

    • 経営層がDXの全社的なビジョンを明確に示し、それを支える組織文化を醸成します。
    • 経営層により従業員に目標を明確にする定期的な社内説明会などを設け、ビジョンの共有を試みることも重要です。
    • また、ビジョンの共有だけではなく、成功事例を紹介し、DXの重要性を全社的に理解してもらいます。
    • それにより、DXの重要性を全社で共有し、変革を前向きに受け入れる環境を整えます。
    ビジョンと文化
  4. 4. 計画と評価 (戦略的・実行面)

    • 経営層主導で短期・中期・長期計画を策定し、PDCAを取り入れ、適切なKPIを設定します。
    • 結果を定期的に評価しながら、KPIに基づいた計画の進捗状況を確認していきます。
    • 全社的に進捗を可視化・評価し、必要に応じて戦略の調整も重要です。
    • 新規事業創出も含めた戦略的な判断を行います。
    計画と評価

その上で、DX推進を効果的に進めるためには、戦略と実行の両面からバランスよく取り組むことが求められます。

【DXの本質】

デジタル技術を活用して、ビジネスモデルや組織文化を変革し、競争力を高めていく継続的なプロセスです。

単なるIT導入ではなく、企業全体の経営変革を目指すものです。

DX推進の2大取組は、戦略と実行!

戦略的取組:実行的取組

DXの推進にあたっては、組織面では経営層がビジョンを明確に示し、全社的に共有しながら組織文化を変革し、デジタルスキルを持つ人材の育成や専門チームの構築が必要です。

実行面では、現場のニーズに合わせたツール導入、日常業務におけるデータ活用、PDCAサイクルによる継続的な改善が不可欠です。全社的なアプローチにより、顧客中心の戦略と外部リソースの活用を組み合わせ、DXを段階的に進めていくことが、競争力を高め、持続的な成長を実現する鍵となります。

まとめとして、「ビジョンを明確にし、全社で共有し、小さく始めて継続的に改善する」という姿勢がDX推進の成功を導く基本原則です。

付録:各種支援・相談先・補助金一覧(2024年度版)

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